年齢別のポイント POINTS BY AGE

歯が生えていない0歳の赤ちゃんにも お口のケアは必要です

お子様の将来の歯並びは、母乳やミルクの飲み方や飲ませ方、離乳食の内容や与え方、使用している器具など、様々な要因が影響して決まります。そのため、まだ歯が生えていない0歳の時から、親御様が正しい情報を把握しておく必要があるのです。

また、0歳ではまだ歯ブラシを使えませんが、歯茎や生えたての乳歯を柔らかいガーゼで拭いて、お口の中に物を入れる感覚に慣れさせておくことをお勧めします。定期通院でお口の育成やケアの方法を学ぶと共に、お子様を歯科医院の雰囲気に慣れさせてあげましょう。

虫歯の予防は1歳から! 乳歯のケア、食育、呼吸、
姿勢などをアドバイス

お子様によっては、1歳になった段階で虫歯になってしまうことがあります。虫歯のリスクは乳歯が生え始めた時からあるため、意識して予防をしていきましょう。この頃のお子様は非常に好奇心が旺盛で、いろんな物を見て、触って、食べたがる、お口の発達において重要な時期です。お子様の噛む機能と飲み込む機能に応じて食材や調理方法を選び、顎の発達を促しましょう。

また、この時期に何より気を付けるべきなのは、お子様の呼吸です。お子様が口呼吸をしている場合、免疫の低下や不正咬合の原因となるため、鼻呼吸に導く必要があります。その他にも、正しい姿勢で自然な食べ方や飲み込み方ができているかも、将来の歯並びや顎顔面の成長に影響するため、チェックしてあげてください。

歯磨きが難しくなり
虫歯のリスクが高まる2歳
定期的なフッ素塗布と
シーラントで
しっかりと予防

2歳になると奥歯の乳歯が生えてきて、歯ブラシが届かなくなります。そのため、仕上げ磨きの際にデンタルフロスを使って、歯と歯の隙間や奥歯の顎側の面を、しっかりとお掃除する必要があります。

また、定期的な通院によって磨き残し部分をケアすることに加え、フッ素塗布やシーラントなどの予防処置を続けることも大切です。特に、フッ素には歯を強化して虫歯菌が出す酸に歯が溶けにくくする働きもあります。定期的にフッ素塗布を受けて、虫歯になりにくい強い歯に育ててあげましょう。

歯が生え揃い始める3歳 毎日全部の歯を入念に
チェックできないからこそ、
定期検診が重要です

乳歯が生え揃う時期は個人差がありまずが、一般的には3歳6カ月くらいに上下20本の乳歯が生え揃います。この時期の乳歯はまだ柔らかくて虫歯になりやすいのですが、歯自体が小さいために親御様では発見が困難です。定期的に歯科医院でチェックを受けて、早期発見・早期対応に努めましょう。

3歳になると奥歯で食べ物をしっかりと噛めるようになるので、大人と変わらない食事が取れるようになります。また、おしゃぶりや爪噛み、舌で歯を押すなどの癖が出始めるので、歯並びを悪くしないためにも早めに直しておくことをお勧めします。中々直せない場合には、歯科医院にご相談ください。

ここがポイント! POINT

なお、3歳6カ月を過ぎても永久歯が生えてこない場合、乳歯の下に元々永久歯が存在しない、先天性欠損の可能性があります。ブリッジや入れ歯、インプラント治療など、足りない歯を補う方法は様々ですが、お口の環境を自然な形で維持するためにも、矯正治療で空いたスペースを閉じる治療法がお勧めです。

歯の生え替わり準備が始まる4歳 噛み方や虫歯の有無が
歯並びへダイレクトに
反映されます

4歳になると、ほとんどのお子様の乳歯が生え揃っている状態です。一見、何の変化もないように思えますが、骨の中では永久歯が生えてくるための準備が進行しています。

前歯での噛み切りや、奥歯での噛み砕きを意識しながら食事をさせてあげることで、お口周りの筋肉が育ち、顎の骨の成長も促されます。柔らかいものを食べたがるかもしれませんが、適度に歯ごたえのあるものも食べさせて、良く噛む習慣を付けましょう。

また、乳歯の虫歯を放っておくと、痛みできちんと噛めなくなったり、永久歯が正しい位置に生えてこなくなったりと、様々な問題のもとになります。この時期の乳歯は虫歯の進行が速いのが特徴なので、親御様が小まめにお口のチェックをして、違和感があればできるだけ早く歯科医院に連れて行ってあげてください。早期に虫歯を発見できれば、歯を削らずに治療できる可能性もあります。

5歳で乳歯がすきっ歯でなければ要注意! 良く噛んで顎の成長を
促すことがきれいな
歯列を作るポイント

早いケースであれば、5歳前後で歯がぐらつき始めるお子様もいらっしゃいます。少しずつ歯と歯の間に隙間ができてきますが、これは顎が発達段階に入ってきて、永久歯が生えるのに必要なスペースを作っているためです。「すきっ歯なのかもしれない」と心配になる親御様もいらっしゃるかもしれませんが、順調に成長している証拠ですから、見守ってあげてください。

反対に、歯と歯の間に隙間がない場合には、成長が不十分な可能性があります。永久歯は乳歯よりも大きいため、いざ生えてきた時に歯が押し合って歯列がデコボコになってしまいます。隙間ができない場合には、お子様に適度に硬い物を与えて良く噛む習慣を付け、顎を発達させましょう。

歯の生え替わりがスタートする6歳 小児矯正を開始するのに
適したタイミングです

個人差もありますが、永久歯への生え替わりが始まり、乳歯と永久歯が混在する「混合歯列期」に入ります。小児矯正を始めるのに最適な時期なので、お子様の歯並びが気になる場合には、できるだけ早く歯科医院に相談してください。小児矯正を行うメリットは、顎が成長する力を利用して、永久歯がきれいに並ぶのに必要なスペースを確保できることです。

歯並びが悪くなる習慣や癖も、幼児期であれば改善しやすいでしょう。また、成長期に顎の状態を整えておくと、大人になってから矯正治療をする際にも、抜歯をせずに歯を動かせる可能性が高くなるのが特徴です。

ここがポイント! POINT

お子様一人で歯磨きせているご家庭もあるかもしれませんが、きちんと磨けるようになるにはまだまだ早い時期です。歯磨きが終わった後には、ご家族の方がしっかりと仕上げ磨きをしてあげてください。
特に奥歯と奥歯の間は汚れが取りにくいので、糸が細いタイプのデンタルフロスを使ってお掃除をしてあげましょう。

歯並びが複雑な小学校低学年の時期 虫歯リスクも上がります
フッ素塗布を
活用しましょう

歯の生え替わりに伴ってブラッシングがしにくくなり、特に虫歯リスクが高まる時期です。乳歯が抜けてできた隙間に汚れが溜まるため、歯肉が炎を起こす「萌出性歯肉炎」になりやすくなっています。生え替わりの頻度が多いこの時期には、歯肉の状態にも注意が必要です。

さらに、生え始めの永久歯は、まだ表面のエナメル質が柔らかく、虫歯菌が出す酸に溶かされやすい状態です。一度虫歯になると、悪化するまでのスピードも非常に早い時期ですから、定期的に歯科医院でチェックを受けて、早期発見・早期治療を心がけてください。なお、歯科医院で定期的にフッ素塗布を受けることで、歯自体の強化も可能です。フッ素には虫歯菌が酸を出す働きを抑える効果もあり、虫歯予防に大きな効果が望めます。

生え替わりが終わる小学校高学年 小児矯正のタイミングを
逃した方も、非抜歯矯正が
できる最後のチャンスです

小学校高学年になると、ほぼ全ての歯が永久歯に生え変わっています。小児矯正に最適な、顎の骨が成長する時期を過ぎているため、イメージ通りの治療効果を望めないかもしれません。

この時期に矯正をする場合には、精密マウスピース型矯正器具を選ぶことで、抜歯を伴う成人矯正を選ばずに済むこともあります。お子様が思春期になると、抜歯をせずに矯正をするという選択肢が狭まってしまいますので、ぜひお早めにご相談ください。